電動アシスト自転車として乗れる条件は、法令に数字で書いてある|買う前に自分で判定する手順

本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。掲載している条件は各社が公開している情報に基づくもので、報酬の有無や多寡は記載内容に影響していません。

通販サイトで「電動アシスト自転車」を探すと、同じ検索結果に
「フル電動自転車」「電動バイク」「モペット」が混ざって出てきます。
写真はどれもペダル付きで、価格帯も重なります。

商品ページには、たいてい「日本の公道を走行できます」と書いてあります。
ですが、公道を走れるかどうかと、免許が要らないかどうかは別の話です。
そして、どちらに分類されるかを決めているのは、店の説明文ではありません。

ここで扱うのは電動アシスト自転車だけです。電動キックボードなどの
特定小型原動機付自転車と、原付として扱われるペダル付き電動バイクは、
免許もナンバーも走ってよい場所も別の制度なので、同じ土俵に乗りません。

先に、決まる順番を書きます。

順番はこうです。 ①その車体が法令上どちらに分類されるかを確定させる → ②用途・走行距離・保管場所で候補を絞る → ③各社の記載を、最後の確認材料として使う 店から選ぶものではありません。

分類は法令に数値で書かれていて、店の書き方では変わりません。
各社の記載は、①と②を確かめるための材料です。

① 分類は、法令の3つの数字で決まる

電動アシスト自転車かどうかは、こがなくても進むか、
時速24km以上で補助が切れるか、補助の比率が上限以内かの3点で決まります。
この3点は道路交通法施行規則第一条の三に数値で書かれていて、
外れた車体は自転車ではなく原動機付自転車等になります。

まず、道路交通法の「自転車」の定義に、電動アシスト自転車が入っています。

十一の二 自転車 ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により 運転する二輪以上の車…(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、 内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。

最後のかっこ書きが電動アシスト自転車です。この「内閣府令で定める基準」が
道路交通法施行規則第一条の三で、中身は次のとおりです。

条文が求めていること 具体的な数値・条件
原動機の種類 電動機であること
補助力の比率(時速10km未満) 人の力に対して最大2(人の力1に対して補助2)
補助力の比率(時速10km以上24km未満) 走行速度の数値から10を引き、7で割った値を、2から引いた数値以下
時速24km以上 原動機による補助が加わらないこと
改造 上の条件から外れるものに改造することが容易でない構造であること
補助の働き方 円滑に働き、安全な運転の確保に支障が生じるおそれがないこと

式は読みにくいので、速度ごとの上限を図にします。

電動アシスト自転車の補助力の上限。時速10kmまでは人の力の2倍、時速10kmから24kmにかけて直線的に減り、時速24kmでゼロになる
電動アシスト自転車の補助力の上限。時速10kmまでは人の力の2倍、時速10kmから24kmにかけて直線的に減り、時速24kmでゼロになる

国民生活センターも、この基準を
「搭乗者がペダルをこがないと走行しない構造であること」から書き起こしています。

買う前に、その車体を自分で判定する

上の条件を、注文する前に確認できる形にします。
上から順に見て、1つでも右端に落ちたら、その車体は電動アシスト自転車ではありません。

買おうとしている車体の判定手順。こがずに進むか、補助が切れる速度、補助の比率、モード切替、型式認定の表示、商品名と区分の一致を順に見て、外れたら原動機付自転車等になる
買おうとしている車体の判定手順。こがずに進むか、補助が切れる速度、補助の比率、モード切替、型式認定の表示、商品名と区分の一致を順に見て、外れたら原動機付自転車等になる
確認すること どこを見るか 自転車と言える条件 外れたときの扱い
1. こがずに進むか 仕様表の「スロットル」「アクセル」「フル電動」「モペット」の語 ペダルをこがないと走行しない構造 自転車ではなく原動機付自転車等
2. 補助が切れる速度 仕様表の「アシスト上限速度」「最高速度」 時速24km以上で補助が加わらない 同上
3. 補助の比率 仕様表、型式認定の有無、メーカーの説明 時速10km未満で最大2、そこから時速24kmまで逓減 同上
4. モード切替で上限が変わらないか 「海外モード」「オフロードモード」「リミッター解除」の語 基準外へ改造することが容易でない構造 基準に適合しない可能性
5. 型式認定の表示 車体のTSマーク(型式認定)、公式ページの記載 認定を受けていれば基準適合の裏付けになる 記載を見つけられなければ販売元に確認
6. 商品名と区分の一致 商品名・カテゴリ・注記 「電動アシスト自転車」として売られている 「原付」「電動バイク」表記なら別区分

実務としては、1と2だけで大半が振り分けられます。
3の比率は買う側で実測できないので、記載と型式認定に頼ります。

「最高速度25km/h」と書いてある車体

速度表記には意味が2通りあります。補助が切れる速度なのか、
原動機だけで出せる速度なのかです。後者なら自力で走る車体ということになります。
読み取れないときは、その1点を販売元に聞いてください。

自転車のフレームを持ち上げて重さを確かめているところ

基準を外れた車体は、原付等になる

警察庁は、基準を超える製品についてこう公表しています。

基準に適合しない製品は、道路交通法上の自転車ではなく原動機付自転車等に 該当することとなりますが、当該製品は道路運送車両の保安基準に適合しないため、 道路を通行させることはできません。

「自転車ではなくなる」で終わりではありません。
原付として乗るには、装備と手続きが要ります。
警視庁がペダル付き電動バイクについて挙げているものが、そのまま必要になります。

原付等として乗る場合に要るもの 内容
ナンバープレート 区市町村税条例等で定める標識を後面に見やすく表示
運転免許 その車両を運転できる免許(原付免許・二輪免許等)
保安部品 保安基準に適合した制動装置(前後輪)、前照灯、制動灯、尾灯、番号灯、後写鏡、方向指示器、警音器等
自賠責 自賠責保険または責任共済の契約
ヘルメット 乗車用ヘルメットの着用

方向指示器や制動灯まで要るので、これらを備えていない車体は、
ナンバーを取っても公道を走れません。

「モーターを切ってこいでいれば自転車」という言い分も通りません。
令和6年の道路交通法改正で、原動機とペダルの両方を備える車両は、
ペダルだけで走らせても原動機付自転車等の「運転」に当たると明確化されました。
警察庁は改正の背景として、原付に当たる製品が「電動アシスト自転車」という
不適切な表記で販売され、取締りの際に「自転車だと思っていた」と供述する例が
多いことを挙げています。商品名を信じて買った側が責任を負う構図です。

車体に付くマークは3種類ある

「マークが付いているから安心」とは限りません。意味はマークごとに違い、
特に「TSマーク」という語は2つの別の制度で使われています。

マーク 出しているところ 何を示すか 電動アシスト自転車との関係
型式認定TSマーク 国家公安委員会(型式認定) 道路交通法の基準に適合していること 認定を受けたものが表示できる
点検整備TSマーク 日本交通管理技術協会 自転車安全整備士が点検整備したこと 傷害保険と賠償責任保険が付帯。有効期間は点検の日から1年。整備の証明で、基準適合の証明ではない
BAAマーク 自転車協会 協会の「自転車安全基準」に適合していること ブレーキ・ライト・フレーム強度などの検査。自転車全般が対象

警察庁の資料は「基準に適合している電動アシスト自転車については、
国家公安委員会の型式認定を受けてTSマークを表示することができる」と書いています。
認定は基準適合の強い裏付けになりますが、認定が販売の要件だと定めた記載は、
今回確認した公的資料の中には見当たりませんでした。

認定の記載を見つけられない車体は、「だから違法」と決めつけず、
判定の1から4を自分で当ててください。

② 次に決まるのは、用途と走行距離と保管場所

分類が決まったら、そこから先は法令ではなく生活の条件です。
各社の記載を読む前に、次の3つを決めておくと候補が減ります。

用途。 毎日の通勤なのか、買い物と送り迎えなのか、休日に遠くまで走るのか。
タイヤの太さも、荷台やチャイルドシートの有無も、ここで決まります。

1回に走る距離と、充電する場所。 走行距離の目安はカタログに載っていますが、
坂の多さやアシストの使い方で変わります。先に決まるのは充電の場所です。
バッテリーを外して室内へ持ち込めるのか、車体ごと電源のある場所へ運ぶのかで、
選べる車体が変わります。

保管場所。 屋外の駐輪場か、玄関の中か、集合住宅の階段の上か。
モーターとバッテリーの分だけ重くなるので、押したり持ち上げたりする場面が
あるかは効いてきます。屋外に置くなら、雨風とバッテリーの扱いも決まります。

ここまでで候補は絞れているはずです。
各社の記載を突き合わせるのは、そのあとです。

子ども乗せの付いた自転車が家の前に停めてあるところ

③ 各社の記載は、最後の確認材料として使う

ここからは各店がそう書いているという話で、適法かどうかの根拠にはなりません。
判定を済ませたうえで、記載を照らし合わせる材料として読んでください。

ADO PELTECH JPStars(電動アシスト自転車カテゴリ)
型式認定の記載 モデルごとに分かれる。買うモデルのページで確認を FAQに「当社製品は全て型式認定試験合格品となっております。」 商品ごとに分かれる。買う商品のページで確認を
BAAマークの記載 Air 20 Pro について「日本のBAA (自転車協会認証)を取得しました。」 記載を確認できず 記載を確認できず
点検整備TSマークの記載 記載を確認できず 記載を確認できず 記載を確認できず
アシストとフル電動の書き分け 別モデルとして並売 フル電動との対比表記は確認できず 商品ページで対比して説明
公道走行についての注記 「運転免許証や車両登録は必要ございません。」(Air 20 Pro) 型式認定取得の説明にとどまる 「法律上は軽車両となります。」ほか走行ルールを列挙

JPStars は他のカテゴリも扱うため、この表は
電動アシスト自転車カテゴリの商品ページだけを見た内容です。
別カテゴリを同じ目で見ると判定を間違えます。

記載があるのは商品ページ単位です。 同じブランドでもページごとに違うので、
ブランド全体の話として読まないでください。

判定のステップごとに、見るページの種類が違う

同じ「型式認定」の話でも、ブランド共通のFAQにまとまっていることもあれば、
モデルごとの商品ページで分かれていることもあります。
どのステップを、どの種類のページで確認するかを並べます。

判定のステップ 記載が置かれている場所 見つからないときにすること
1. こがずに進むか 商品ページの仕様表、機能の説明 スロットルやアクセルの有無を文面で質問する
2. 補助が切れる速度 商品ページの仕様表 「最高速度」が補助の上限か、原動機だけの速度かを質問する
3. 補助の比率 型式認定の記載、メーカーの技術説明 実測できない。認定の有無を確認する
4. モード切替 機能紹介、取扱説明書のダウンロード 海外モード等の有無と、その扱いを質問する
5. 型式認定の表示 ブランド共通のFAQ、またはモデルごとの商品ページ どちらにも見当たらなければ販売元に確認する
6. 商品名と区分の一致 商品名・カテゴリ・注記 カテゴリと商品名が食い違うページは、そのまま買わない

置き場所はブランドごとに違います。PELTECH は FAQ にまとめ、
ADO はモデルごとのページで分かれます。JPStars のように、
商品ページに軽車両としての走行ルールまで並べている店もあります。
どこに書いてあっても、確かめるのは買うモデルのページです。

自転車のサドルに置かれた鍵

どの店でも変わらないこと

  • 時速24km以上で補助が切れることは、店を選んでも変わりません。 それを超えて楽に走りたいなら、原付を選ぶという別の判断になります
  • こがずに進む機構が付いていれば、商品名が何であれ原付等です。 店の表記でこの区分は動きません。
  • 記載も法令も更新されます。判定は、買う直前のページでもう一度やってください

各社のページを見る

条件を確認したうえで見に行く場合は、こちらから。並び順は優劣ではありません。
JPStarsは電動キックボードや電動バイクも扱うので、商品ページで
電動アシスト自転車かどうかを必ず確かめてください
(この記事の判定手順のとおりです)。

ADO電動アシスト自転車

アシスト自転車なら【PELTECH】

【JPStars Online Shop】

確認できなかったこと

以下は、条文や公的機関のページからの直接の引用まで到達できませんでした。

  • 型式認定を受けている件数の現況:令和6年5月末時点で1,803件という公表値は 確認できましたが、それ以降の件数は確認できていません。 現況として読まないでください
  • 三輪・四輪でリヤカーを牽引する場合の特則:補助力の上限が緩和される規定が あるとされますが、条文の該当部分を確認できていません。 牽引を前提に選ぶなら条文そのものを確認してください
  • アシスト比率の基準がいつの改正で現行の数値になったか:現行の条文の内容は 確認できましたが、改正の経緯は確認できませんでした
  • ADO のモデルごとの型式認定の取得状況:公式ページの本文で確認できていません。 買うモデルのページで直接確認してください
  • 各社の並行輸入品・海外モデルの扱い:3社とも記載を見つけられませんでした。 あるかどうかは各社に確認してください
  • BAAマークの検査項目の一覧、型式認定基準の詳細な原文: どちらも要約までしか確認できていません
  • 各店の点検整備TSマークの記載:見た範囲では見つけられませんでした。 あるかどうかは商品ページで確認してください

購入前にこれらが重要になる場合は、直接問い合わせて確認してください。
確認できた内容をご連絡いただければ、この記事にも反映します。

条件を満たす車体を選んだあとにやることは 電動アシスト自転車は、届いた日に走り出せるとは限らない に、
選び方そのものは 電動アシスト自転車は結局どう選べばいいか にあります。

出典

  • 警察庁:広報資料「基準に適合しない『電動アシスト自転車』と称する製品について」/説明資料「改正道路交通法の概要等(ペダル付き原動機付自転車)」
  • 警視庁:「電動アシスト自転車とペダル付き電動バイクの違いについて」
  • 国土交通省 自転車活用推進本部:参考資料「自転車に係る主な交通ルール」
  • 国民生活センター:報道発表資料
  • 消費者庁:注意喚起ページ
  • 日本交通管理技術協会:TSマーク公式サイト
  • 自転車協会:BAA 公式サイト
  • ADO:商品ページ/MIXBIKE 公式サイト
  • PELTECH:FAQ
  • JPStars Online Shop:電動アシスト自転車カテゴリの商品ページ

いずれも2026年9月11日時点で公開されていた内容です。
法令・型式認定の状況・各社の記載は変わることがあります。
ご購入の前に必ず条文と公的機関の案内、各社の公式ページで最新の内容をご確認ください。

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