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電動アシスト自転車の商品ページには、「フレーム5年保証」「1年保証」といった
表示が並んでいます。モーターと電池が付く分だけ高い買い物なので、
この年数は安心材料に見えます。
ところが保証規約を開くと、バッテリーは本体とは別枠で切られていて、
そこに「充電容量の低下は保証しない」と書いてありました。
バッテリーは、この乗り物でいちばん高い部品です。
その部品にいちばん起きやすい変化が、保証の外に置かれています。
扱うのは電動アシスト自転車だけです。特定小型原動機付自転車や、
原付扱いのペダル付き電動バイクは制度が別で、同じ土俵に乗りません。
先に、決まる順番を書きます。
順番はこうです。 ①その車体が法令上の電動アシスト自転車かを確定させる → ②用途・1回に走る距離・充電と保管の場所を決める → ③保証の条文と、交換バッテリーの値段を確かめる 保証年数は、店を選ぶ第一の軸ではありません。
バッテリーは「何年乗れるか」ではなく、
「何年後に、いくら払うことになるか」で見てください。
以下、ADO・PELTECH・JPStars(COSWHEEL/RICHBIT)が公開している
保証規約・商品ページ・FAQを並べます。
保証の条文より先に決まること
条文を読む前に、決まっているべきことが3つあります。どれも保証では解決しません。
- その車体の分類。 こがなくても進むか、時速24km以上で補助が切れるか。 ここが外れていれば、保証以前に乗ってよい場所が変わります
- 1回に走る距離と、充電する場所。 バッテリーを外して室内へ持ち込むのか、 車体ごと電源のある場所へ運ぶのか。容量の選択はここで決まります
- 保管場所。 屋外の駐輪場か、玄関の中か。ここで雨風と温度の当たり方が変わります
バッテリーは消耗品です。 保証が見ているのは「壊れたかどうか」であって、
「減ったかどうか」ではありません。
バッテリーの保証は、本体とは別枠になっている
| バッテリーの保証期間 | 本体・他部品の保証 | 容量低下の扱い | |
|---|---|---|---|
| ADO | 購入日から1年(材料・製造工程上の欠陥) | フレーム5年。充電器・モーター・コントローラー等は1年。サイドスタンド・ペダル・タイヤ・ブレーキパッドは3ヶ月 | 使用寿命と充電容量の減少は保証できない、と明記 |
| PELTECH | 本体と同じ枠で販売日から1年 | 電子部品の不具合が対象(アシストしない・充電できない等)。パンク・チェーン等の使用上の不具合は対象外 | 充放電回数や容量低下を名指しした条文は確認できず。通常の摩耗・疲労は対象外 |
| JPStars(COSWHEEL) | 購入日から1年。ただし走行距離3,000kmを超えると期間内でも対象外 | 本体・モーター・ハンドル・充電器アダプター・液晶ディスプレイが対象部品。タイヤ・チューブ・ペダル・ブレーキは対象外 | 対象部品に「バッテリー(60%以下に低下しない事)」、対象外項目に「バッテリー充電容量の低下」が併記 |
| JPStars(RICHBIT純正バッテリー単品) | 「メーカー 一年保証」 | 該当なし | 但し書きの記載は確認できず |
バッテリーに関わる保証は、確認できた範囲ではいずれも1年でした(PELTECHの
バッテリー単体の期間は確認できていません)。差が出るのは、その1年の中で何を
見てくれるかのほうです。
ADOはフレームを5年、電気部品を1年、消耗系を3ヶ月と階層に分けたうえで、
バッテリーをもう一段外に出しています。
バッテリーは、購入日から1年間、材料または製造工程上の欠陥がないことを保証します。
これは最初から不良だった場合を指しています。
使っているうちに減った分は、この文の外側です。
「容量低下は対象外」の書かれ方は、3社で違う
ADOは理由まで書いています。バッテリーの使用状況を把握できないため、
使用寿命や充電容量の減少は保証できない、という書き方です。
JPStarsだけは60%という数値が出てきます。ただし同じページの中で、
本体、バッテリー(60%以下に低下しないこと)、アダプター、液晶ディスプレイ、 モーター、ハンドル、ナンバー灯などは保証対象部品になります。
と書きながら、保証対象外の項目にも「バッテリー充電容量の低下」が挙がっています。
60%を下回ったときに保証されるのかどうかは、この文面からは決まりません。
ここが判断の分かれ目になるなら、注文の前に窓口へ聞いてください。
PELTECHは、容量を名指しした条文を見つけられませんでした。FAQでは
「アシストがしない」「充電できない」といった電子部品の不具合が保証対象だと
述べています。故障と容量低下の境目がどこに引かれるかは読み取れませんでした。

保証期間内でも、費用が発生する条件がある
ADOの保証ポリシーには、期間内でも修理費用が発生する場合が列挙されています。
日本国外で使用する場合、不良ではない部品を要望で交換する場合、
使用後に譲渡された中古品である場合(有料か無料かにかかわらず)、
意図的に変更・加工された場合、
当社以外での修理や改造により故障や損傷が発生した場合などです。
最後の一つは、電池の話として効きます。
安く済ませようと持ち込んだ結果、残っていた保証のほうが消えることがあります。
JPStarsの3,000kmという上限も、同じ性質の条件です。
毎日10km走れば1年を待たずに届く距離で、通勤に使う人ほど早く外れます。
期間と走行距離の、早いほうで終わります。
交換バッテリーは、いくらで買えるか

| 交換用バッテリー | 価格 | 入手できるか | |
|---|---|---|---|
| ADO | 37V 10Ah(Air 20/Air 20 Pro/Air Carbon シリーズ用) | 69,800円(税抜表記) | 購入可能の表示 |
| PELTECH | 8Ah(適応車種:全製品適用) | 33,800円(税込表記) | 商品ページあり |
| PELTECH | 12Ah(同上) | 44,800円(税込表記) | 商品ページあり |
| JPStars(RICHBIT純正) | 36V 10.2Ah | 記載を確認できず | 予約製品・次回入荷は未定 |
| JPStars(COSWHEEL) | MIRAI用の予備バッテリー | 記載を確認できず | 商品ページあり |
この表を、そのまま安い順に読み替えないでください。
ADOは税抜、PELTECHは税込の表記で、容量も電圧も違います。
同じ土俵で比べられるのは、自分が買う車体に付く、その1本の値段だけです。
公開されている交換用バッテリーは、
税込33,800円の例と、税抜69,800円の例がありました。 1年の保証が切れたあとに容量が落ちたら、
この桁の金額を自分で払うことになります。車体の価格とは別に、
はじめから積んでおく費用です。
JPStarsのRICHBIT純正バッテリーは、取得時点で予約製品の扱いでした。
次回入荷として示されていた時期は、すでに過ぎています。
値段の前に、買えるかどうかという問題があります。
「何年後にいくら」を、注文の前に書き出す
年数は、公開ページから出せませんでした。
ADOの仕様表には「バッテリー寿命:1000回充電」という表記がありますが、
1000回充電したあとに容量が何%残るのかは書かれていません。
基準がない以上、年数にも距離にも換算できません。
書けるのは、次の3行です。
1. 確認できた保証の期間は1年(JPStarsは3,000kmのほうが先に来ることがある)
2. その先の容量低下は自費。 金額の目安は、いま公開されている交換用バッテリーの価格
3. その価格の型番が、買おうとしている車体に対応しているか
3番目は見落としやすい点です。PELTECHは代替用バッテリーの商品説明で
6Ahモデルが廃番であることを明記したうえで、8Ahと12Ahの適応車種を
「全製品適用」としています。旧容量が終わっても後継へ置き換わっている実例ですが、
「何年供給する」と約束した記載ではありません。
生産終了後の部品供給年数を明文で定めた記載は、3社とも確認できませんでした。
中古で譲り受けた車体は、ADOでは期間が残っていても費用が発生する側です。

カタログの航続距離は、測定条件つきの数字
| 公表されている航続距離 | 条件の書かれ方 | |
|---|---|---|
| ADO | 最大100km | アシストレベル・操作方法・乗車者の重量・道路状況・気温・バッテリーの状態で変わる、という留保のみ |
| PELTECH(8Ah) | 強28km/標準35km/エコ42km | モードごとに分けて表示 |
| PELTECH(12Ah) | 強38km/標準48km/エコ57km | 同上 |
| JPStars(COSWHEEL MIRAI COMFORT) | 約80km〜100km | 荷重・気温・走行の状況で前後する、という留保 |
体重◯kg・平地・無風・気温◯度といった測定条件を明記した一次情報は、
3社とも確認できませんでした。 PELTECHはモードで分けている分だけ読みやすく、
同じ8Ahでも強モードとエコモードで14kmの差が付いています。
上限だけを見て「40km走れる」と考えると、強モードでは半分ほどです。
これは新品のときの数字です。容量が落ちれば距離も落ちますが、
その落ち方は保証の外に置かれています。片道の距離ではなく、
往復して余る容量かどうかで選んでください。
電池の不具合は、近所の自転車店では直らないことがある
| 修理の受け口 | 電子部品・バッテリーの扱い | |
|---|---|---|
| ADO | 全国の代理店を通じた修理サービス。持ち込む前にカスタマーサポートへの連絡が必要 | 当社以外での修理・改造による故障や損傷は、費用が発生する側 |
| PELTECH | アフター保証対応店(ブレーキ・タイヤ・チェーンなど電子部品以外) | モーター・コントローラー・バッテリーはメーカー対応と明記 |
| JPStars(COSWHEEL) | 全国150以上の販売店・修理店・出張修理業者と連携 | 対象部品の範囲は保証の項に準じる |
PELTECHの切り分けは、はっきり書いてあるだけで、構図は共通です。
機械部品は近所で直せても、電池まわりはメーカーへ送ることになります。
動かなくなった日から手元に戻る日まで、その車体は使えません。
通勤の足にするなら、代わりの足を先に決めておくところです。
PELTECHには、新車購入から14日以内に加入できる有償の延長保証(5,980円)があり、
メーカー保証と合わせて3年になると書かれています。自然故障が対象です。
ただし、容量低下が自然故障に当たるかどうかは、確認したページからは分かりません。
PSEマークと型式認定は、別々の話
JPStars(COSWHEEL)は車体のページで「ひし形PSEマーク取得済み」と述べています。
一方で経済産業省のFAQは、機器に装着された状態のリチウムイオン蓄電池は
電気用品安全法の規制対象外であり、電池単体や同梱のACアダプターは規制対象だ、
と説明しています。この記載が車体を指すのか充電器を指すのかは判別できません。
型式認定のTSマークは道路交通法の基準に適合している証で、
電池の安全性を示すものではありません。点検整備の証として貼るTSマーク(付帯保険つき)は
別の制度で、その保険は事故の賠償と傷害が対象です。盗難の補償ではありません。
3社の公開ページでは、盗難保険という名称の商品を確認できませんでした
(ADOにはバッテリーロックという施錠アクセサリーが6,198円で並んでいます)。

買う前に、この6行を埋める
埋めるのは次の6行です。
1. バッテリーの保証期間はどこに書いてあるか(本体の保証年数とは別に探す)
2. 容量低下は対象か、対象外か。 数値の基準が書かれているか
3. 走行距離の上限が付いていないか(年数より先に来ることがある)
4. 交換用バッテリーの型番と価格(税抜か税込かも一緒に控える)
5. その型番が、いま買えるか(在庫・予約・入荷予定の表示)
6. 電子部品の修理はどこへ送るのか。その間の代わりの足はあるか
埋まらない項目は、注文の前に窓口へ聞いてください。
4と5を空けたまま買うと、容量が落ちた日にはじめて値段を知ることになります。
どの店を選んでも変わらないこともあります。
- 容量低下は、保証の外に置かれるのが標準でした。 年数の長い保証を選んでも、 減った分を交換してもらえるという意味にはなりません
- カタログの航続距離は新品の数字です。 測定条件が明記されていない以上、 上限の数字をそのまま毎日の予定に組み込まないでください
- 価格も在庫も条文も変わります。買う直前にもう一度見てください
各社のページを見る
条件を確認したうえで見に行く場合は、こちらから。並び順は優劣ではありません。
JPStarsは電動キックボードや電動バイクも扱うので、商品ページで
電動アシスト自転車かどうかを必ず確かめてください(この記事の判定手順のとおりです)。
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確認できなかったこと
以下は、各社と公的機関の公開ページからは確かめられませんでした。
- JPStars(COSWHEEL)のバッテリー保証の運用。 保証対象部品に 「バッテリー(60%以下に低下しない事)」と載る一方、保証対象外の項目にも 「バッテリー充電容量の低下」が載っています。どちらが適用されるかは 公開ページからは判断できませんでした
- ADO・PELTECHの容量低下の数値基準。 除外の但し書きや対象範囲の説明はあるものの、 JPStarsの60%のような閾値は見つけられませんでした
- JPStars(RICHBIT純正/COSWHEEL予備)のバッテリー価格。 価格表示が ブラウザ側で読み込まれる作りで、数値まで到達できませんでした。 金額は商品ページで直接ご確認ください
- 生産終了後の部品供給年数。 3社とも明文の規定を見つけられませんでした。 長く乗る前提なら、購入前に販売元へ確認してください
- 航続距離の測定条件。 体重・平地・無風・気温といった基準値を明記した記載は 3社とも見当たりませんでした。低温時の低下についての注意喚起も同様です
- PELTECHの延長保証で、容量低下が対象になるかどうか。 対象は自然故障と 書かれていますが、容量低下がそこに含まれるかは読み取れませんでした
- 3社のリコール事例と専用窓口。 今回の範囲では公表事例を確認できませんでした。 リコール情報は消費者庁のリコール情報サイトで横断して調べられます
- 電動アシスト自転車のTSマーク点検整備の料金相場。 点検整備を受ける料金になる、 という説明までで、金額の目安は確認できませんでした
- PELTECHのバッテリー単体の保証期間。 本体と同じ1年という枠組みは確認できましたが、 バッテリーだけを取り出した期間の明記は見つけられませんでした
購入前にこれらが重要になる場合は、直接問い合わせて確認してください。
確認できた内容をご連絡いただければ、この記事にも反映します。
交換費用まで含めた選び方は 電動アシスト自転車は結局どう選べばいいか に、
乗れる条件そのものは 電動アシスト自転車として乗れる条件は、法令に数字で書いてある にあります。
出典
- ADO(ADO株式会社):保証ポリシーのページ/FAQ/製品ページ(Air 20)/ 交換用バッテリーの商品ページ/アクセサリー一覧/修理サポートの案内ページ
- PELTECH(株式会社PELTECH):FAQ(品質保証)/代替用バッテリーの商品ページ/ 延長保証の商品ページ/アフター保証対応店の案内ページ
- JPStars Online Shop(株式会社Acalie):COSWHEEL MIRAI COMFORT の商品ページ/ RICHBIT純正バッテリーの商品ページ/COSWHEEL 予備バッテリーの商品ページ
- 経済産業省:リチウムイオン蓄電池に関するFAQ
- 警察庁:駆動補助機付自転車の型式認定制度の案内ページ
- 公益財団法人日本交通管理技術協会:TSマークのQ&Aページ
- 消費者庁:リコール情報サイト
いずれも取得日2026年9月11日時点で公開されていた内容です。
条件は予告なく変更されます。
ご購入の前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。
